10年来のちきりんファンの、なりタイです。
これまで書評を書く際は、特に想定読者は設けず、万人に読んでもらえるような内容を心がけていたのですが、今回はブロガーなど自分のメディアを運営している人に読んでもらいたい本の紹介です。
みなさんは、なんのためにブログをやっているのか、記事はなんのために書いているのか、考えたことがありますか。
ほとんどの方が「ある」と答えるのではないでしょうか。
なりタイも、「自分に役立ったものはほかの人にも紹介したい」などと、それなりの理由をもってブログを書いているつもりでした。
でも、この本を読んで、その考えが浅はかなものだったと反省することになったのです。
初心者のうちに、この本に巡り会えたおかげで、自分のアタマでじっくり考えて、信念を持ってブログを運営する大切さを知ることができ、自分のブログに向き合うきっかけになりました。
毎日、漫然と更新するのと、ブログの方向性をしっかり据えてから更新するのでは、成果も全く違ってきます。
ほかにも、匿名で発信し続ける理由や、ブログの締め言葉「そんじゃーね」の秘話など、たいへん興味深い構成です。
私のようにブログがなかなか軌道に乗らないブロガーのみなさんにぜひ読んでほしい内容になってるので、以下、紹介します。
この本はこんな人にオススメ!
✔ ブログなど自分のメディアを運営している人
✔ ブログの方向性がなかなか定まらない初心者ブロガー
✔ ちきりんの日記の舞台裏が知りたい人
著者は人気ブロガーのあの人
著者はブロガーなら知らない人はいないであろう、超人気ブロガーのちきりんさんです。
メディアにもたまに登場されますが、本名や学歴、年齢などは一切非公表。
ちなみに、ちきりんというのは、競馬ゲームの「ダービースタリオン(ダビスタ)」をやっていたときに使っていた馬に付けた名前だそうです。
小学5年から日記をつけ始め、その延長で2005年に「Chikirinの日記」というブログをスタートします。
日記と言っても、日常の行動をつづるわけではなく、自身の思考の記録を書いているのがポイントです。
なりタイは学生時代、ヒット作「自分のアタマで考えよう」を読んでファンになり、その後、ブログや本、最近ではvoisyもフォローするようにしています。
最も信頼しているインフルエンサーのうちの1人です。
本書で何が学べるのか
本書はノウハウ本ではなく、あくまで 10 年間の「Chikirinの日記」の舞台裏を 綴る歴史読み物ではありますが、自身もブログを書いているという人や、これからは自分も個人として発信していきたいと考える人にとっては、何かしらヒントになることもあるはずです。
「自分メディア」はこう作る! から
冒頭の文を読むだけで、ワクワクしませんか。
ブログのノウハウ本は数あれど、人気ブログの舞台裏が知れる機会なんてそうありません。
少しでも自分のブログに役立つヒントを得てやろうと、戦闘態勢に入りました。
ブログを匿名でする理由
ブログを始めた当時、会社員だったちきりんさん。
実名の開示は堅い業界で働く人にはリスクが大きすぎる一方、メリットは何もないと断言します。
自分の考えたことを伝えるのに邪魔で、年齢や立場を公表すると読み手の解釈が変わる恐れもあるという理由も挙げています。
実名にするかどうか迷っているブロガーにとっては、参考になる指摘ですね。
ワンエントリ・ワンメッセージ
ちきりんさんは、「ひとつのエントリでは、ひとつのメッセージだけを伝える」ことをポリシーにされています。
そのため、ブログを書く時も「何を書くか」ではなく、「今日は何を伝えようか」を最初に決めるといいます。
自分のブログを振り返ってみると、一つの短い記事の中で主張が2つも3つもある投稿があり、読みにくいんですよね。
なにが言いたいのかわからない。
これは、目からウロコでした。
ワンメッセージを先に決める、というより、ワンメッセージを思いついた時点で記事を書き始めるというのも非常に合理的ですよね。
サイトを価値あるメディアに育てる
私にとって最も大事なものは、人生における自由な時間です。やりたいことは山ほどあり、ブログは趣味のひとつにすぎません。有名になりたいわけでもお金を稼ぎたいわけでもなく、自由な時間を確保するために仕事まで辞めたのに、執筆や取材に追いまくられるなんて、とんでもないことです。自分の望んでいる生活を守るためには、勢いに流されず、より意識的に考え、しっかりしたポリシーに基づいてブログ運営をする必要がある。真剣にそう考え始めました。
「自分メディア」はこう作る! から
ここでちきりんさんが考えたのが、「そもそも私は何が達成したいんだっけ?」というゴールです。
その答えが、「サイトを価値あるメディアに育てる」だったといいます。
価値あるメディアとは、何らかの共通点を持ち、読者が絞り込まれたメデイアのことだそうです。
簡単にいうと、「面白いことができる自分の場所が作りたい」ということのようですね。
(一般に広く読まれる)読売新聞ではなく、(専門性の高い)日経新聞という、たとえも出されていますが、本との違いの説明がよりわかりやすかったです。
本は「コンテンツの 塊」であって、「発信できる場所」ではありません。ほとんどの本は出版後1年もたてば、書店では探すのも難しくなります。そんな著作を何冊も持っていることより、毎日何万人もが訪れてくれるサイトを持っているほうが、圧倒的に発信力は高いのです。
「自分メディア」はこう作る! から
ね、わかりやすいでしょ。
ちきりんさんは読者が少しでも疑問が抱くであろうと考えたところは、あらゆる手段を使ってわかりやすく説明してくれます。
常に読者目線に立たれているのがビシビシと伝わってきて、本当にためになるんですよね。
最後に
冒頭にもちらっと書きましたが、なりタイは、「ブログで自分の役にたったものを紹介することで誰かの役にたって、読者が増えれば収益化もしたいなあ」くらいの軽い気持ちでブログを始めたのですが、考えが甘すぎたと思い知らされました。
最近は書評記事を書く楽しさに気づき、ブログの軸にすることも検討中です。
今は試行錯誤の時期なので、とにかく書いて、次第に方向性をガチッと決めていこうと思っています。
そのときに今回紹介したちきりんさんの考え方は大いに参考になるはずです。
本書では上記で紹介したほかに、「自分のメデイアを作るための5か条」についても解説されています。
「そんじゃーね」の秘話にも注目です。
興味がある方はぜひ一度、手にとってみてくださいね。
ちなみに、本書はちきりんさんが自作したKindle書籍『「Chikirinの日記」の育て方』に、ブログのベストエントリ集を加え、紙の書籍にしたものです。
ベストエントリ集が不要だという方は、こちらを購入するのもいいかと思います。
「Chikirinの日記」の育て方
結論
ブログなどの自分のメディアをどう育てていきたいのかを真剣に考えている人は意外と少ない。
発信する前に、自分が何を伝えたいのかを一つ、明確にしよう。
そんじゃーね
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