【書評】「教養としてのアート 投資としてのアート」NFTの登場を予見していた!?素人でもどんな作品を買えばいいのかがわかる!

こんにちは、なりタイ園長です。

この記事を書いた人

【プロフィール】

✔ NFTコレクター/マーケター

✔ Twitterフォロワー8,000人以上

✔ Pixel Heroes DAO 共同代表

✔ 23年から仕事を辞め、NFTにフルコミット

なりタイ園長

この本が刊行された2019年4月当時、NFTという言葉自体は存在していたようですが、NFTが国内で一気に注目を集めだしたのは今年2021年からだと言われています。

実際、本の中にも、NFTという言葉は一度も出てきません。

にもかかわらず、この本の冒頭はいきなり、

「わたしたちはアート・マーケットの拡大前夜にいます」
「アーティストの数は今後ますます増えていき、あらゆる才能をもつ人がアート活動を目指すようになるでしょう」

本書より

という文章で始まります。

たしかに、現在(21年10月時点)、NFTのクリエイターは急激に増えています。

イラストを描くのが趣味という主婦から、お絵描きが好きな小学生まで、ごく普通の一般人だった人たちがクリエイターとして人気を集め、その作品に数十万円の値がつくこともあるから驚きですよね。

2年後の未来を見透かしていたかのような内容です。

さらに、本書にはこのような記述もありました。

「近い将来、 誰もがアートをもつことができてアートを楽しむ時代 になっていくでしょう」
「これからの時代は新しいコレクターがリーズナブルで質の高いアート作品をセレクトして買うようになり、それが将来的に資産としての価値をもつようなマーケットを活性化するであろうと予想される」

本書より

すごくないですか?

これってまさにNFTの流行のことを指してますよね。

著者には予知能力があるのかとさえ、疑ってしまいます。

この本では、こうした予測だけでなく、アート作品の選び方や楽しみ方なども専門家の立場から語られています。

NFTのコレクター(買い手)はもちろん、作品の価格が上がる仕組みなど、クリエイター(売り手)にとっても、非常に有益な情報がふんだんにつまっています。

NFTに少しでも関心のある方全員に、読んでもらいたい良書です。

わかりやすい文章でたった200ページほどなので、サクッと読めるのも魅力ですよ~!

※本文に入る前に確認です。

この本はNFTを念頭に書かれた本ではありません。あくまで、現代アート全般について書かれた本です。NFTと関連づけて書いている部分がありますが、個人の見解も含まれるのでその前提で読み進めてくださいね。

そもそもNFTとはなんぞや?という方は、まずはこちらの記事を読んでから戻ってきてください。数分もあれば読めると思います!

目次

著者は日本の現代アートの市場拡大に尽力

著者の徳光健治さんは、アジア最大級の現代アートのオンライン販売「tagboat」の運営者。
総合商社や外資系コンサルティングファームで働いた異色の経歴をお持ちです。

富裕層以外でもアートが買えるよう、日々、日本の現代アートの市場拡大に奮闘されています。

21年9月には、新著「知識ゼロからはじめる 現代アート投資の教科書」を出版。

本の帯には、起業家であり、アートに造詣が深い家入一真さんのコメントが掲載されています。

日本のアートの現状

徳光さんは、日本人の間では、アート=資産という認識が薄いと指摘します。

マーケット規模でいうと、世界市場が8兆円なのに対し、日本はわずか500億円程度。NFTの世界で、日本より外国のほうが展開が早く、市場規模が大きいのも納得のデータですよね。

それどころか、インテリアアートが流行った当時は、二次市場がなかったことで購入と同時に価値が崩壊し、アートは資産価値を下げるという認識が定着していたようです。

日本の現代アートにはそうした背景があるわけですね。

失敗しないアート作品の買い方

せっかくアートを買うなら、誰もが価値ある作品を買いたいものですよね。

ただ、作品って世の中に星の数ほどあるので、素人が価値ある(あるいは今後価値が上がる)作品を見極めるのって本当に難しいんですよ。

とくにNFTに限って言うと、登場してまもないので、モネやピカソみたいに長年かけて価値が確立した作品がまだありませんからね。

1万円で買ったNFTが1ヶ月後には、500円程度の価値しか持たなくなることもあれば、逆に、1,000円で買った作品が1年後には100万円の値がついているということもありえるわけです。

これについては、誰も正確には予測できないのですが、徳光さんはアートを見極める2つのポイントがあるといいます。

アートを見極める2大ポイント

発明品であるか

1つ目が、新たな美術史の文脈をつくる発明品であるか、という点です。

具体的にいうと、これまでにない技法や制作方法、コンセプト、表現方法が使われているかどうかです。

インパクトの大きさ

2つ目が、インパクトがあるかどうかです。

より正確にいうと、鑑賞した人が受ける衝動や、作品が社会に衝撃を与えるような話題作かどうかです。

さらっと書きましたが、この2点を見極めるのがまた至難の業です。

徳光さんも、作品を見まくるしかないと明言しているので、地道に努力を続けるしか方法はなさそうです。

でもNFTって自由度が高いので、新たな表現方法がたくさん出てきている感じはありますよね。
そこにヒントが隠されているのかもしれません。

アーティストを見る

2大ポイントのほかに、作品の制作者について調べることも大事なようです。

取り組む姿勢

アーティスト作品の購入はベンチャー企業への投資と同じ、というたとえが非常にわかりやすく、秀逸です。

たしかにTwitter上にも、たくさんのNFTクリエイターがいますが、それぞれの熱量の違いってツイートを見比べているだけでもわかりますよね。

飽きてしまって作品作りをやめてしまうようなことがあれば、基本的にその後、そのクリエイターの作品の価値が上がることもないでしょう。

そういう意味でも活動に取り組む姿勢はとても大事です。

時代の流れに乗っているか

徳光さんは、時代性を反映した斬新さのある作品にこそ価値があるともいいます。

それこそが、絶対的なオリジナリティーになるということのようです。

買ってはいけないアート

買うべきアートが難しい一方、買ってはいけないアートはわかりやすいです。

ずっと似たような作品をつくっているアーティストは避けたほうがいいようです。

時代にあわせて、自分を柔軟に変えることができるのも、一つの才能なんですね。

NFTにも進出している巨匠の村上隆さんも、常に新しいチャレンジをされていますから納得です。

二次市場で人気がないアーティストも避けるべきということで、裏返すと、クリエイターのみなさんは、いかに二次市場で流通させるかが大きな課題になってくるということでしょう。

アートの評価方法

以前は、美術評論家の論評だけでアートの評価は決まっていたのが、今や、ネット社会となり、多くの人の目に触れる機会が増えたことで、面白い作品が売れる時代になりました。

つまり、売れる作品こそが、いい作品なのです。実力主義社会になったとみていいのかもしれませんね。

徳光さんは、ここに現代アートの進化を見ます。

現代アートの進化

大衆化

アートは、誰もがクリエイトでき、誰もが買うことができる対象になりました。

この流れがNFTの登場で、さらに加速していることはいうまでもありません。

民主化

美術評論家ではなく、ファンが評価を決める時代です。

ネット時代の到来で、評価する場も多様化していますよね。

マーケットの拡大

アートのマーケットは年率5%以上で伸びているそうです。

クリエイターは競合が増えていることからも、自らがプロデューサーになり、ファンを獲得する必要に迫られています。

コレクターはこれまで書いたことを踏まえたうえで、慎重に作品を選ぶのがよさそうです。

ただ、これはあくまでアートを投資の観点で見た時の話であるという点に、注意が必要です。

ぼく個人としては、自分が本当に気に入った作品なら、その後、もし世間的な価値がゼロになっても特段問題はないと考えています

ただ、自分の買った作品の価値がどんどん上がっていくのはうれしいですし、売買で利益が出れば、さらに自分の好きな作品を買うための資金が増えることにもなりますので、価値が上がるにこしたことはありません。

自分の審美眼が正しかったことの証にもなりますしね。

アートの楽しみ方

なりタイ園長のNFTギャラリー

最後に、手に入れたアートをどう楽しむかについて、かんたんに触れておきます。

徳光さんはまず、コレクター仲間をつくる大切さを説いています。

NFTなら、コレクター仲間は一目瞭然なので、TwitterなどのSNSでかんたんにつながることができますよね。

ぼくも同じクリエイターの作品を保有している人のTwitterアカウントは積極的にフォローするようにしています。

NFTの勉強になるツイートも多いですし、ツイートをきっかけに好きなアーティストに出会うという経験も何度かありました。

あと、保有しているNFTは絶対にオープンにしたほうがいいです。

なぜなら、アートは自分で抱えているだけではなかなか価値が上がらないからですね。

多くの人の目に触れることでこそ、作品の評価が高まるというのは感覚的にわかりますね。

見てもらってなんぼの世界です。

NFTなら、oncyberを利用することで、仮想空間上に自分の作品だけを飾るギャラリーをつくることができます。

導入にあたっては、こちらの記事(note)が参考になります。

ちなみにぼくのNFTギャラリーはこちら

作品の入れ替えも頻繁にしているので、お暇なときに是非いらしてくださいね。

最後に

ぼくは大学生の頃に西洋絵画にはまり、美術館によく足を運ぶようになりました。

ただ、特別展で展示されるような絵ってあまりにも高すぎて(億単位のものも多いですよね)、そもそも買うっていう選択肢が思い浮かぶことすらなかったです。

でも、NFTの世界に飛び込んだら、どうしても欲しいドット絵作品を見つけてしまい、はじめてアート作品を購入しました。

その額、なんと約5万円(※ガス代と呼ばれる手数料含む)。

たかくらかずきさんのNFT

OpenSeaなどのアイコンにもしている、アーティスト・たかくらかずきさんのNFT作品でした。

我ながら、よくこんな大金を払えたなあと驚きましたが、買ってみると、満足感がすごいんです。

これがアートを保有するという感覚なんだなあと。。。

この感覚は、美術館で絵をながめたり、写真を撮ったりしているだけでは味わうことはできません。

今までの人生でまだアートを購入したことがないという方は、この本を読んでアートの正しい選び方を身に着けたうえで、数千円~数万円のNFT作品を買うことに挑戦してみてはいかがでしょうか?

日常に新たな彩りが加わること間違いなしですよ!



まだ、NFTを買うのに抵抗があるという方は、Twitterなどで無料配布(Giveaway)企画をしているクリエイターさんがたくさんいますので、まずはそちらから入るのがいいかもしれません。

ぼくも初めてのNFTは、Giveaway企画でいただきました!

Giveaway企画への参加方法はこちらの記事で詳しく解説しています。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次